恋-2

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涼君の言葉にみんな反応し、 窓から校庭を見る。 「本当だ、中山だ」 制服を着て 正面玄関に入る彼は、手ぶらで 表情は重いかんじ。 「何しに来たんだ?」 「おーい!かんたー!」 窓から白石君が手を振ったけど 気付かずに中に入ってしまった。 「謹慎中って、学校にいちいち日記みたいなの提出するんだっけ?」 寿くんの問いに 「いや、一週間に一回くらいだよ 別件じゃね?」 穂高先輩は、答えながら窓から校舎を見た。 「なんだろな………」 「……………」 終業式のとき 私は中山くんを突き放した。 気まずくなりそうだから、しばらくは会いたくない。 黙々とキーボードの練習をする。 「養護施設の誕生祝いライヴだけは、 中山くんも出てもいいみたいだから それまでに、上手くならないと……」 「中山、出るかなぁ………」
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