64人が本棚に入れています
本棚に追加
「中山!」
職員室から出てきた中山くんは、
私達の顔を見てビックリしている。
「なんだよ、揃って……夏休みだぞ」
「寛太」
続けて出てきた彼のお母さんは
顔色が悪かった。
「先に帰っていいよ」
「何言ってるの、早く家に帰って話し合わないと!」
中山くんのお母さんは、何だか焦っていた。
「いいから、行ってろよ。大事な話だから、
友達にも………」
「……………」
なんだろう
空気が滅茶苦茶重い……
玄関から静かに帰っていく彼のお母さんを見届けたあと、
中山くんは
穂高先輩と私を真っ直ぐに見て、口を開いた。
生徒のいない校舎は怖いくらい静かで
余計に不安になる。
「俺、退学になった」
最初のコメントを投稿しよう!