恋-2

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「中山!」 職員室から出てきた中山くんは、 私達の顔を見てビックリしている。 「なんだよ、揃って……夏休みだぞ」 「寛太」 続けて出てきた彼のお母さんは 顔色が悪かった。 「先に帰っていいよ」 「何言ってるの、早く家に帰って話し合わないと!」 中山くんのお母さんは、何だか焦っていた。 「いいから、行ってろよ。大事な話だから、 友達にも………」 「……………」 なんだろう 空気が滅茶苦茶重い…… 玄関から静かに帰っていく彼のお母さんを見届けたあと、 中山くんは 穂高先輩と私を真っ直ぐに見て、口を開いた。 生徒のいない校舎は怖いくらい静かで 余計に不安になる。 「俺、退学になった」
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