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「校長に直訴しよーぜ」
いつも
物静かな涼君が
先に、私達ができることを口にした。
「"空近"を校外活動にすればいいんだよ!
前みたいにさ!」
白石くんは
珍しく何も口にしないまま
泣いている。
「ブー、てめの汚い涙なんか見たくねえんだよ、
泣くな」
寿くんは苛立ちを我慢できずにいた。
「また、署名しようぜ
校長なら分かってくれるかも」
「それ、いいね!」
「やめろよ」
みんなが策を話しているのを黙って聞いていた
穂高先輩が
立ち上がり
中山くんがいつも握っていたマイクスタンドに、
そっと、触れた。
「あいつ、父親になるんだよ」
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