恋-2

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「校長に直訴しよーぜ」 いつも 物静かな涼君が 先に、私達ができることを口にした。 「"空近"を校外活動にすればいいんだよ! 前みたいにさ!」 白石くんは 珍しく何も口にしないまま 泣いている。 「ブー、てめの汚い涙なんか見たくねえんだよ、 泣くな」 寿くんは苛立ちを我慢できずにいた。 「また、署名しようぜ 校長なら分かってくれるかも」 「それ、いいね!」 「やめろよ」 みんなが策を話しているのを黙って聞いていた 穂高先輩が 立ち上がり 中山くんがいつも握っていたマイクスタンドに、 そっと、触れた。 「あいつ、父親になるんだよ」
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