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旧校舎の、古い部室。
中山くん以外はみんな制服姿だった。
「ケロちゃん、遅いよ。穂高もう来てるよ」
私より遠い所から通っている穂高先輩は
窓を全開にしながら、下敷きで顔をあおいでいた。
背中汗びっしょり…
走ってきたのかな?
中山くんが
みんなの前に出て立ち、
「えー…この度は
私の不祥事が重なり
退学になったことから……」
「寛太うぜー」
「普通に語れや」
いつもと変わらない笑顔を振りまいていることに
ちょっと安心した。
「みんなに伝えたいことがある」
中山くんの美声は
部室中に広がる。
なんだか
ドキドキする。
不安と期待で
息が止まりそう……
「定例の、養護施設での8月のライヴが終わったら
俺、
F県に出稼ぎに行きます」
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