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心臓に矢が刺さったかような衝撃を受けたまま、
レイの舌を受け入れる。
「二週間前におかしいなって思って、
病院に行ったの」
唇を離したレイは
何も言えない俺に
「なんか、言いなよ」
何を語って欲しいのか、少し苛立ちを感じているようだ。
握らされた母子手帳を
恐る恐る見ると
米粒みたいな
ちいさな胎児の写真が添付されていた。
「………俺の?」
「………私は寛太にしか避妊なしは許してないから」
微妙な返事に戸惑いながら
頭の中が真っ白になってしまった。
「おろさないわよ」
レイの
決断はゆるがない。
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