恋-2

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終業式も参加できないまま、 穂高先輩を含めて 軽音部部員、全員、校長室に呼び出された。 「不祥事を起こしたら、 部は即廃部と言ったね」 校長は、頭を抱えながらため息をついた。 「応援していたんだよ………」 「確かに火は部室から出たかもしれないけど 俺たちは7時前には鍵かけて帰ったし 今、軽音部で煙草吸う奴なんかいませんよ」 中山くんは強い口調で校長を諭す。 そう、 穂高先輩もとっくにに止めてしまって 今は飴のカスを散らかして 私に怒られるくらい。 「みんな、持ち物 全て見せろ」 きっと、二年生の谷口達の仕業なのに 悔しい濡れ衣に みんなしぶしぶ、鞄や持ち物を提出し シャツ、ズボンのポケットを探られた。 「河合さんは保健室に行ってください」 校長が女の先生を呼んだそのとき 「穂高、これ、 何に使うんだ?」 穂高先輩の鞄の底から ライターが出てきてしまった。
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