恋-2

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「そのライター、俺のです」 中山くんは 生活指導員の手からライターをつまみとり、 「落としたなぁ、って思ったら穂高が拾ってくれてました、 どこで見つけた?サンキューな」 一方的に話す中山くんに 穂高先輩は唖然としてしまっている。 「中山、いい加減な事言うとお前、謹慎だぞ? 同じ質問をする、 ライターを何に使うんだ?」 蒸し暑い校長室で 熱い教諭が 中山くんのシャツの胸ぐらを掴む。 中山くんは 動じないまま、その先生の顔を真っ直ぐみて 「花火と墓参りです」 「中山っっ!」 生活指導教諭をキレさせた。 「中山の火遊びで学校を火事にするところだった! 校長 謹慎処分をお願いします!」 耳なりがするほど興奮して叫ぶ先生に 冷ややかな穂高先輩と 中山くん。 「暫く活動を控えるように」 中山くんひとりが 停学処分となってしまった。
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