恋-2

9/39
前へ
/39ページ
次へ
先に終業式を終え HRも終わってしまった教室に 中山くんと白石くんと 私だけになる。 「二学期早々まで謹慎 長くね?夏休みも何もできやしない」 机の中のものを鞄に入れながら 中山くんは、いつもみたいに軽く言った。 「寛太が家にこもりっきりとか無理だろ?」 白石くんの言葉に またチクリと胸が痛みだす。 レイさんがいる家に こもりっきり……… 「中山くん、どうして 谷口達のこと話させてくれなかったの?」 谷口たちは 先生たちだって目をつけているし 普段の素行の悪さだって気づいてるはず。 話せば…… 「ブー!」 「ん?」 「先に帰ってて、あとでお前んち行くから」 返事をくれないまま、 教室に二人きりになった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加