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「……うん……」
暗くて表情は良く分からないけれど、
彼の声色は何か重大な話でもするかの様な響きを持っていた。
一体、何の話をするの……
緊張と言いしれぬ不安を抱えながら、いつものように彼の車の助手席に座った。
「お姉さん、何で1週間も連絡くれなかったの?」
彼の口から出た言葉は意外なものだった。
「えっと……
お兄さんからも連絡なかったし……
何だか、忙しかったし……」
頭が混乱しているから歯切れが悪くなる。
「そっかぁ……
オレ、嫌われるような事したのかと思ったよ」
「えっ!そんな事無いって!」
「それなら良かった……もう、会ってくれないんじゃないかと思ってたから」
矢継ぎ早に伝えられる言葉のどれもが予想外の事で頭がついていかない。
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