思い

3/12
8346人が本棚に入れています
本棚に追加
/1520ページ
私は…… ずっと連絡が無かったから、一ノ瀬君はもう私とは会う気が無いんだと思ってた。 でも…… 私と同じ事を、彼も思ってたって事……? 私が彼のメールを待ってた様に、彼も私からのメールを待ってたって事? 「メール、ありがとね」 もしそうなら、こうして会うきっかけを作ってくれた彼に感謝したい。 「うん……もし、返信無かったらどうしようかと思ってたけど、メール返してくれて良かった……」 ホッとした様な表情を一ノ瀬は浮かべる。 全部、私の思い過ごしだったのかな……? そう思うと、みるみるカチカチになっていた肩の力が抜けていく。 「それでね、お姉さん この前、同窓会に行った事、もしかして怒ってる?」 「……!」 あまりに図星な問いかけに思わず声が出そうだった。 だけど、 「なんで~怒ってなんか無いよ」 シラを切る。
/1520ページ

最初のコメントを投稿しよう!