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「私は……お兄さんの事……好きだよ……」
振り絞って言ったのに、
全然ロマンチックな気分でも何でもない。
何だか、「負け」た様な気持ちになるのは何故だろう……
「嬉しい…
お姉さん、ありがとう」
満面の笑みを浮かべて無邪気に喜ぶ一之瀬君。
正直、腹が立っていたはずなのに
笑うと整った顔立ちが少しばかり崩れて幼く見えるのが可愛らしい……
なんて思ってしまう自分がまた癪に障る。
私はこの天衣無縫な6歳も年下の男の子の魅力に陥落しまったのかもしれない。
でも、何だか腑に落ちない……
自分だけが一方的に思いを告げたような気にさえなってくる。
これは一体何……!?
これって両想いなの……!?
喜んでもいいの……!?
もし、これがマンガとかだったなら……
見つめ合う2人。
周りはキラキラ。
お花もいっぱい。
主人公もお相手も心がバラ色って感じなのかもしれないけれど……
何かがやっぱり違う。
そんな雰囲気、微塵も感じない!!
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