8347人が本棚に入れています
本棚に追加
/1520ページ
秋晴れの日の午後、私たちは出発した。
東海北陸道をひた走り、郡上八幡ICで高速を降りて国道156号線を走ってゆく。
途中、地元民ならではの抜け道を幾つか通りながら進んだ。
「ほら、ここが私の通った小学校!」
大きな交差点を抜けた先に見えてきたのは、懐かしい小学校の校舎。
「あっでも、今ってもう運動場が土じゃないんだね」
緑色の塗装に違和感を感じる。
「うん、今はどこもそうみたいだよ。
でも、結構この学校大きいね」
珍しそうに一之瀬君は移り行く景色を眺めている。
彼はスキーシーズンになると、スノボ目的で毎年郡上を訪れているみたいだけど
いつも高速道路で現地まで一直線らしく、こうやって街中を横切るのは初めてだと言った。
よほどの事がなければ帰省しない地元。
暫く見ないうちに、小さな商店街の店舗も結構入れ替わっていたり、シャッターが降りている店が多くなっていた。
何だか、寂れた印象。
やっぱり、少しずつ過疎化してきてるのかなぁ
懐かしい記憶と一致しない町の景色に寂しさを覚える。
最初のコメントを投稿しよう!