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スニーカーで慎重に上っていたけれども
キャッ！！
岩の上でずるりと足が横滑りした。
ヤバい！
と、思った瞬間
「大丈夫？」
彼の手がしっかりと私の腕を掴んで体勢を整えてくれた。
「滑るから気を付けないとダメだよ」
私の方が慣れているはずなのに注意を受けてしまう。
彼はと言うと……
バランス感覚は抜群らしくて、難なくひょいひょいと岩を上っていく。
そして、１段上るごとに振り返り私の無事を確認し、
「次はここに足を置いてね」
と、アドバイスまでしてくれる。
やがて、たどり着いた滝の裏は、
洞窟になっていて、何百体ものお地蔵様がそこから滝を見つめている。
白山信仰の修練所である阿弥陀ヶ滝。
きっと、何百年も前からこうやって多くの人が訪れたんだろうなぁ……
と、思いを馳せながら手を合わせた。
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