故郷

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「アハハッ。 でも、草ならいっぱいあるよ」 「草を食べろって事?」 「どうぞ召し上がれ~」 「まずは、自分がお手本見せてよね。 どうやって、草を食べるのか」 「オレは無理だって~花粉ついてるでしょ? 苛めないでよね」 アハハハッ ふざけ合っている時の会話なんて到底人に聞かせられものじゃない。 私はまだしも 一之瀬君なんて、病院の人が見たら熱でもあるんじゃないかと本気で心配されてしまいそうだ。 そんな会話をしているうちに、口コミで評判の店が見えてきた。 物は試し……と、中に入り おススメのメニューとして載っていた味噌味のピザを注文してみる。 あつあつのピザが届くと 一之瀬君は、器用な手つきでピザカッターを使ってピザを切り分け 「召し上がれ~」 と、さっきのふざけた口調を真似ながらお皿に取り分けたピザを渡してくれた。 「うん、美味しい!大正解!」 チーズと味噌が合わさって、今までに食べた事が無いような深い味が口いっぱいに広がる。
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