故郷

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「発酵食品同士、相性がいいね」 一之瀬君も満足そうに、いつもの調子でつぎつぎと口に運んでいる。 「そう言えば、お姉さん。 この近くにお城があるでしょ?」 「うん、八幡城があるよ」 「オレ、行った事ないから寄ってみたいんだけど」 「いいけど、疲れてない?大丈夫?」 「大丈夫!城見たいもん」 「でも、もう閉まってないかなぁ」 「閉まってたら、外観だけでもいいよ」 「じゃあ、急いで行こっ」 残りのピザを口に詰め込んで、私たちは早々と出発した。 八幡城に到着したのは夕方6時。 もう入場出来ないんじゃないかと思っていたけど 運良く、夜間のライトアップを特別にしているという事で入場できた。 「オレってやっぱり運がいい」 一之瀬君は、ふふ~んと得意げに鼻をならした
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