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車まで到着した時
彼の手と私の手の温かさは同じになっていた。
「お姉さん、熱いって!」
自販機で買ったホットドリンクを彼の頬にすかさず押し当てると
「ひゃあ」っと、悲鳴を上げた後、そう言って一之瀬君はむくれた。
そして、すかさず私の手から缶と取り上げて
同じように頬に押し当てて仕返しをしてくる。
「熱い、熱い!お兄さん、やめて~!」
逃げ回る私と
追いかけてくる一之瀬君。
夜の駐車場で一体何をやってるんだと思われてたと思うけど
2人とも何だかハイテンションではしゃぎまわっていた。
バカみたいに大きな声で笑って
それでいて、心はとても穏やかだった。
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