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月は近くにあった椅子に女の子を座らし、ガーセ等で傷口の汚れを拭き取った
月が薬品棚から出したものは一見普通のスプレーだった月が治療を始めようとした時に月に異変が訪れた
月:(あ…れ…?『また』目眩だわ…)
目眩。月は人目を気にしてかあまり店には出ない方だ基本、祖母が対応している。今の様に月が治療をしようとすると何故か原因不明の目眩がおこるのだ
子:「おねぇ…ちゃん…足痛いよぉ…そのおくすり、しみない?」
女の子は痛みに歪む顔で月に問い掛ける
早く手当てをしないといけないのだが
月:(いし…き …が)
月は女の子の声が聞こえにくくなり意識がとぶような感覚に襲われたが口は、言葉はハッキリと話せる
月:「…大丈夫よ。今からお姉ちゃんが魔法をかけてあっというまに治すからね~」
子:「うんっ…あたしがんばる」
スプレーの中身は薬草が丸々入っており、透明の液体で満たされている
月は静に液体をかけながら言う
月:「我等が敬愛し白の術よ、幾千の年月を越え幾仙の仙よりも確実に我等が拒絶するものを排除せんその手助けを」
月が唱えた後、なんと傷口はふさがり血は紅い小花となり床に散った
子:「え?なんで?いたくない。それにキレーなおはな!」
月:「貴女が頑張ったから特別な治療よ。もう、大丈夫!」
月はスプレーを薬品棚にしまい、床に散った花を一つとって女の子のベージュの髪に挿した
子:「うふふ♪ありがとうおねぇちゃん。わたし、ママさがしにいく!」
もう痛みのない足を喜び女の子は店を出ていった
月:(あ…意識がハッキリしてきた…?ん?私あの子に…何したっけ…?)
窓から覗けば先程の女の子は元気に走っていく
月:「兎に角、元気になって良かった!さてと、さっきの調合の続きしなくちゃ」
誰も居なくなった店を後にし、月は調合室に戻っていった。
月は治療中、気づかなかったがその光景を祖母は見ていた。幼い頃薬草を使った単純な治療に何故月は興味をもち、ここまで成長したのか…
いくら腕がいいからといって、血を花に、傷を痕も残さず治すなど、到底人間の技ではない。そう、〝人間〟の……。
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