第1章

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「…そういえば… 『愛』ってなんだろうね、お姉ちゃん?」 突然の問い。 「今は」一番下しか使われない 二段ベットからの声。 「…さぁ… 友達は『それぞれを求め合う』事とか 『お互いを理解し合う』事とか言うけど… …よく分からないなぁ。 月音ちゃんはどう考えてるの?」 向かい合うように椅子に座り直して 私は問い返す。 「ん~、私も分かんない。 つーか、どうでもいい。」 ベットに一緒に並んだ 「私の」枕に顔を埋めて なんとも嬉しそうに答える。 私の自慢の双子の妹、『月音』。 月音の自慢の姉(らしい)私、『陽香』。 他の人いわく、 「あまりにも同じ外見であり あまりにも真逆の性格である」らしい 一卵性双生児…。 「相容れるはずのない性格」だと 人は言うけど… 私達は、 「お互いを受け入れ合っている」。 何故かって… 『自分と真逆だからこそ』 お互いが『解る』から。 そして… 『お互いが好き』だから… 『家族』とか『姉妹』だからでなく 妹は『陽香』という存在が、 私は『月音』という存在が好き。 何時までそうで在るかは 「分からない」けど… この想いが二人とも続く限り 「そうで在り続ける」と思う。 …これが「愛」かは… 解らなくても…。
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