第3章

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水曜日の今日は店の定休日だ。俺は久しぶりに写真を撮りに外へと出ていた。 ここのところ気持ちが不安定だったせいか、お気に入りの場所へと足を向けた。 秋晴れの今日は暖かく、涼しくなった風も心地好い。 平日の日中は人もあまり歩いていなくてゆっくり周りを観察出来る。 木で出来たトンネルを、幅広の石段一つ一つ踏みしめながら緩やかな坂を登っていく。 薄暗い空間に太陽の光が所々降り注ぎ木洩れ日が落ち葉を照らしている。 木洩れ日が降り注ぐこの空間に思わずシャッターを切った。 その先には小さな神社があり、時々誰かが手入れをしているようだ。 更に足を進めいつものように 二礼二拍手一礼をし、横を通り過ぎるとその奥へと進んでいく。 そこには木のトンネルは無く、街が見下ろせる様になっている。 そこから観る景色は壮観で、ここに来ると胸の澱が溶けて無くなるような気分になる。
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