第3章

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京にいを先に風呂に入れた俺は料理を盛り付けリビングのテーブルに運んだ。 普段からは飲まないが今日はビールがあってもいいと思い、グラスも用意した。 テーブルの上を眺め俺は苦笑した。いつもこんなにおかずは作らない、なのに改めて見ると明らかに2人の食事にしては品数が多いなと…。 これはこれで恥ずかしい。落ち着いて考えろと数時間前の自分に言ってやりたい。 京にいの反応が気になるが、素知らぬ振りをして何か言われても何でもない事のように振る舞おうと胸に誓った。 風呂からあがった京にいはテーブルのグラスを見てビールを冷蔵庫から持ってきてくれた。 俺はご飯をよそい、2人で向かい合う形で京にいはソファー側俺はその向かい側に胡座をかいて座った。 案の定、京にいはテーブルの上を見て目を丸くした。 「今日、何か良い事でもあった?2人で食べるには豪勢だね」 ほらな、やっぱり。京にいはそういう事言ってくるんだよ。 俺は表情を出さずに答えた。
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