第3章

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……ん?仲直り? 俺はちょっと違うと思うけど、とりあえず和解したって事でいいのかと思い何をするのか聞いてみた。 すると京にいは立ち上がり向かいに座る俺の隣に座った。 「じゃ、握手しよ」 そう言って右手を差し出されたので俺も右手を出して京にいの手を軽く握った。 「うおっ!?何すんだよ!」 手を強く握り返したかと思うと京にいは自分側に勢いよく俺を引っ張った。 胸に飛び込む形に衝突した後、今度は握った手を離して両腕で抱き締められた。 「だから仲直りだって」 「いいから離せよっ」 もがいて抜け出そうとするも、この細い体のどこにそんな力があるんだと思うくらい締め付ける。 「つうか苦しい…っ!」 「だって宗ちゃん逃げるから。大人しくしてるなら弛めてあげる」 はぁ!?何だよそれ?仲直りはどこに行ったんだよ!? そんな事を思っている間にも力は弛まず俺は分かったと返事をした。 はぁ……何か今ので酔いが回ってきたかも 大きく息をしながら京にいの肩に額を押し付け息を整える。 すると俺の頭を京にいが撫でている。 ……何だよこの状況、かなり奇妙だ。
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