第3章

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「なぁ、もういいか?」 「まだダメ、もうちょっと」 こうしてると京にいの心音が聞こえる。 もう少し良く聞きたくて頭の位置をずらして耳を押し付けた。 体も大分熱いみたいだ。案外心地良いなと思い始め目を閉じてみる。 するとさっきよりも鼓動が早くなっていた。 不意に体が揺れて目を開けると京にいの顔が目の前に。 あっと思った時には唇と唇が触れ合っていた。 目を見開き固まる俺を他所にぬるっとしたものを唇に這わせ更に深く入り込もうとしている京にい。 思わず胸ぐらを掴み引き剥がした。 「はぁ!?何考えてんだよ」 俺の脳内はパニックだ。何故か一瞬流されかけてしまった。 お互い視線は真っ直ぐ交わっている。そこへ京にいは綺麗な眸を外す事なく、胸ぐらを掴む俺の手に触れながら口を動かした。 「好きだからだよ、宗ちゃんの事が」
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