第3章

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「何て言ってみたりして!あ~ご飯冷めちゃったね、さっ食べちゃお。 洗い物は俺がやるからねぇ」 爽やかに笑うとソファー側に戻り食事を再開した。 何も言わず俺もまた箸を持ち食べ始めた。 そうだ……思い出した。 昔から京にいに何度も言われた『好き』と言う言葉。 いつも本気とも冗談とも取れる言い方で。 けれどその時の眸は俺だけを映し、澄んだ眼差しで。 そして今も… まだこのままで良いって事なんだよな? 俺が直ぐに答えを出せない事を分かってこうしてくれているのかもしれないと思った。 これから、俺はちゃんと京にいの事を考えるよ。 さっきのでしっかり分かったから。 手元を見ている京にいに視線を移し、微かに笑いかけた。
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