第4章

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最後の客が帰り、店を閉めると蓮二さんに呼ばれ全員カウンターに座らされた。 中には羽山くんだけが入り、カクテルを作ってくれるみたいだ。 それぞれのイメージに合ったものを作ってくれた羽山くんのシェイカーを振る姿は、蓮二さんに負けないくらい格好良かった。 これからは羽山くん目当ての客が増えそうだなとみんなが思ったに違いない。 一杯ずつ飲んだ後、片付けをして帰り支度を始めた。 蓮二さんと横澤さんを置いて3人で外へ出ると、方向の違う赤尾くんと店前で別れた。 歩き出すと羽山くんが口を開いた。 「宗蘭、俺の事覚えてない?」 いきなりそんな事を問われ、思わず足が止まった。 「えっ?」 何?知り合い!? 羽山くんを見たまま首を傾げ、一瞬止まった思考をフル回転させた。
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