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まあそれはさておき、確かに同姓を伴侶に選ぶということはあまりない。
ただ、自分達の部族では、父が「巫子」であったということもあって、受け入れやすかったのだろう。
自分達の部族では、巫子は男でも女でもない、とされている。
もっとも、父は今のシルファと違って、男の格好はしていたが。
しかし、またしてもここに来ることになるとは、前の日には思ってもいなかった。
それは、ラルダも同じだったらしい。
「しかし、続けてここにお前が来るとは。何かあったのか?」
目の前に座り込んだシルフィに、そう尋ねてくる。
「弟さん、いないでしょう?」
「ああ。どういうわけか、この雨の中出かけて行った。止めたんだが」
「……本気なのかな? あなたの弟さん」
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