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「何がだ?」
シルフィの問いに、ラルダはけげんそうな顔をした。
「わたしの弟に、手を出しているから」
「……何でそう思う?」
「ここに来る前に住居に戻ったら、睦み合っている真っ最中だったから」
シルフィがそう言うと、ラルダは、近くの柱に、ガンっと頭をぶつけた。
「だ、だいじょうぶですか!?」
「す、すまんな」
当たってしまった部分に手を当てながら、ラルダは言った。
「し、しかし、何でそんなに落ち着いていられる?」
さっきまで落ち着いた表情をしていた男の焦りように、シルフィは、目をぱちくりとさせた。
「そんなに驚くことなの?」
「そうではないのか?」
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