115人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「ずっと、シルファが好きだったってこと?」
「そういうことに、なるのであろうな」
二人とも幼かったが、とラルダはそう言って頷いた。
「そんな小さい頃に、人を好きになるものなの?」
「さあなあ。だが、人の思いに、あるもないも、決め付けることは、できないかもしれないな……しかし、よく怒らなかったな」
「えっ?」
「……見たのだろう?」
ラルダは言葉を濁したが、言いたいことはわかった。
「シルファが嫌がっていたら、怒りましたよ」
そう言って、シルフィは俯いた。
そう。
シルファが嫌がっていたら、絶対に許さなかった。
だけど。
セアドの膝の上に抱き上げられて、抱かれていたシルファは、必死にその体にすがりつき、自分を抱く男の名を呼んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!