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同じ気持ちを分かち合っているからこそ、見せたくないものもあるのだ。
「白岩漬けの肉、ミル、喜んでいたよ」
だから、シルファは何も気付かないふりをして、その背にそう声をかけた。
「そっか」
器を持った背が、少しだけ揺れた。
「僕達も、今日は白岩漬けの肉を食べよう」
多分、これからもずっと。自分達は、こうして生きていくのだろう。
互いにしかわからない感情を抱えながら。
―そう、シルファは思った。
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