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目が覚めた時、夜明け少し前だった。
この季節特有の、清々しい空気に溢れている。―が。
枯れ草を敷き詰めた寝床から起き上がったシルファは、頭を抱えた。
爽やかな夜明け前に、まったくふさわしくない感触が、足の内側にあるのだ。
着ていた獣の皮で作った衣も濡れている。
シルファは、羞恥のあまりそのまま倒れこみたくなった。
確かに、「成人の儀」を迎える直前に、兆候はあった。
『これで、お前も大人だな』
笑って、ヤヌスにもそう言われた。
だがそれから以後は、こんなことは一度としてなかったのに。
『恥ずかしいことじゃない。男として、当たり前のことだ』
そうも言っていた、幼馴染の言葉を思い出す。
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