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「着替えは、あるのか?」 「う、うん」  濡れた衣を岩の上に置き、シルファは敷布で簡単に体を拭うと、それを身に付けるために広げた。 「……何、お前それ着るつもりなのか!?」  しかし、ヤヌスはけげんそうに聞いてきた。 「あ、あ、うん。おかしい?」  シルファが着替えに持ってきたのは、男性用の腰巻だった。  部族の男達は、皆これを着ている。 「いや……まあ、なんだ。とりあえず、着方が違うぞ」 「えっ!?」 「貸してみろ。やってやる」  そうして、ヤヌスが腰巻をシルファから取り上げ、腰の巻いてくれる。 「しかし、今日はこんな朝っぱらから水浴びしているわ、落ち着きはないわ、どうしたんだ?」
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