冷たい抱擁【１９】

衝撃的な真実

暫くすれば、若い男性が入っていった別室からまた違う男性が出て来た。

「初めまして、岡野様。東條から話は窺っております」

「は、初めまして。あの…宜しくお願いします」

「東條とは古い付き合いになるんです。岡野様の気に入った物件が見付かる様にお手伝いさせて頂く仲村和志と申します」

名刺を手渡された。

この不動産屋の社長だったんだ。

住む所一つで社長だなんて、なんか申し訳なく思ってしまう。