都会の揺り籠

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本当は会わない方がいいとわかっていたのに、つい誘いに乗ってしまった弱い私。 「さっきと同じ、キールでいいか?」 「あっ、はい!」 松阪先輩は店員を呼び、空っぽになっていたグラスと引き換えにお替りのキールをオーダーしてくれた。 彼から連絡があったのは、仕事納めである30日の昼の事。 年が明けた3日、彼は私より一足先に東京へと旅立つ。 その前にどうしても会いたいと言われ、私はこの日仕事を終えてから、松阪先輩と共にすすきのにあるスペイン・バルを訪れていた。
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