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ぱちん、とオネーサンが指を鳴らした。
と同時に視界が煙に包まれる。
ゆっくりと煙が晴れた時には、オレはいつもの格好に戻っていた。
「ジンちゃんと。
お話してねって、リザちゃんに言われたから~」
「……そーだな」
ジーンとしてでも、ドロボーとしてでもない。
ラゼリア村にいる『ジン』として。
オレは彼女と話をする。
「……『魔女』として契約を更新すれば、私はこのまま。
何も変わらず、ラゼリア村でイタズラ三昧の日々を過ごすでしょうね~」
「更新しなかったら?」
オネーサンの口が止まる。
「更新しなかったら、どーなんの?」
「……消える」
それは。
「『魔女』の私は」
『魔女』の最期。
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