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あどけない顔に幸せそうな笑みを浮かべて、とろけた瞳にどろりと狂気を流し込み、新造はただただ、花魁を見つめていた。
その新造の唇に、揺らめく紅がそっと触れる。
「ぁ……」
「遊女の言葉は商売道具。
……それを誰よりも分かっているわっちが、どうしておまぃの言葉に、ここまで心を揺さぶられるんだろうねぇ?」
花魁の指先が、顎を滑り、襟を滑り、華奢な新造の腰を引き寄せる。
「おまぃの操は、わっちが守る。
おまぃは、わっちのモノにありんす」
「花魁の身代は、わっちが守る。
花魁は、わっちのモノにありんす」
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