忘れられない、言ノ葉

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「ーー・・・え?」 聞き取れなかった。いや、違う。 聞き取れたけど、脳が理解してくれなかった。 「だから、羽田野さんとこの洋君、こっちで独り暮らし始めたらしいわよ?」 「な、なんで、だって、大学他県じゃ? 中学で引っ越したでしょ?」 私の動揺などいざ知らず、お母さんはせっせとジャガイモを潰す。 「言ってなかった?洋君、こっちの大学らしいわよ? 大学まで家から遠いから、二十歳になったのを機に独り暮らしだって。 うちに下宿すれば良いのにね」 なに、言ってるの? 無理だよ、だって      『やだよ、あんな汚いやつ』 耳鳴りがする。 嫌だ 思い出したくないのに。 あんな、最悪な初恋の終わり方
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