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昔から、鈍臭かった私
いじめっ子達からみれば、格好の餌食だったに違いない
『ふぇ、ふぇーん』
『やーい、泣き虫りのー!』
『かえしてよぉ』
『おまえのものはおれのものだ』
いつもいつも、髪引っ張られたり、リボンとられたり
虐められてばかりいた幼稚園時代
いつも泣いていた気がする。
でも、そんな私にもヒーローはいた。
『おい!』
『げ、ひろしだ』
『りののリボンかえせ!』
『っ』
うずくまっていた私にはよくわからなかったけれど、ひーくんはいつもいじめっ子から取り返してくれていた。
『ん』
『ひーくん、ひっく、ありがとぉ』
『そんなふうになくからいじめられるんだよ』
『ふぇ、』
ひーくんは、私のヒーローで。
そういう風に怒られるのが、とても悲しかった。
ひーくんはヒーローだけど、とても口が悪かったから。
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