柄にもないことはするもんじゃない。

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「お待たせしましたー。こちら半袖ですとまだ肌寒いので、ボレロもお持ちしたんですがご試着なさいますか?」 「はい」 売り付ける気満々の店員から服を受け取り、りのを試着室に押し付ける。 「ひーくん」 「着たら見せろ」 「でも、」 「でもじゃねぇ」 「だって、」 「だってじゃねぇ」 「・・・似合わないょぉ」 大きな目 じんわりと涙の膜が張られていく。 「絶対似合うから。それ着ないんなら、俺が無理矢理着替えさせる」 だって、その服似合うに決まってる。 りのは綺麗だから、なんでも似合うんだ。 「っ、着替えるからぁ」 「ん」 店内でりのの着替えを待つ間 店員に、さっきの服と似たような系統のものを集めてもらう。 うん、これも買わせよう。
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