柄にもないことはするもんじゃない。

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「これこのまま着てってもいいですか?」 「え?」 「はいかしこまりました。只今タグをお切りします。」 「こっちも一緒に会計で」 指差すのは持ってきてもらった服の山。 「はい」 店員も嬉しそうに笑っている。 「ひーくん・・・」 「あ?」 落ち着かなそうにするりの 忙しなく揺れる瞳 右手はひっきりなしに左の手首を擦る 今着てるボレロは、寒くなさそうだけど手首が出ている 左の、手首が。 目立つ傷ではない でも、りのにとっては大きな傷 俺の、罪 左の手を俺の手で掴む 恋人繋ぎをすれば、誰にも傷は見えない。 「あ、靴も買わねーと変だな」 「靴まで買うの?」 「ん、サイズは?」 「SかM、えと、24センチだけど・・・」 店員は俺らがかなり買うと見込んだのか 色んな靴を持ってくる。 そのほとんどを買った。 今までの服も靴も、捨てさせねーと。 もう隠す必要はねーんだから。
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