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店を出ても、りのは忙しない。
「あの、ひーくん」
「んだよ」
「本当に、変じゃない?」
「変じゃねーよ」
「でも、見られてる気がする、の」
小さな手が、すがるように俺の手を握る。
『お前が可愛いから皆見てる』って。
そう言えばいいんだ
分かってる
そうすれば、りのも少しは自覚するだろう。
だけど
「気のせいだろ」
素直になれない
もっと優しくしたいって思うし
素直に誉めたいけど・・・無理
だけどりのが他の男に見られるのも無理
「りの、早く二人になりたいんだけど、いい?」
耳元で囁けば、りのは真っ赤になって
それでもコクりと頷く
ヤバイ
可愛すぎ
にやけそうになるのを必死で抑える
気持ちが急いて、早足になる
でも、りのが必死についてくるから慌ててスピードを落とす
可愛い
可愛すぎる
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