忘れられない、言ノ葉

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ーー・・・ 中学になると、皆異性を気にし始める。 そんな中、私は孤立していた。 私の家は、ホテルを経営していたから。 ただのホテルだったらマシだった。 だけど、うちの家はいわゆるラブホを経営。 しかもチェーン展開。 異性を意識するなか、そんなあからさまな家業の私と仲良くしようなんて子はいなかった。 ーー・・・それでも、平気だった。 だって、家に帰れば君がいたから。 家は隣同士。 窓を開ければ君がいた。 いつも素っ気なくて、口を開けば意地悪なことばかり言われた だけど、優しいから 私が泣きたいときには、黙ってそばにいてくれた それだけで、幸せだった。 幸せ、だった。
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