ブンタンサバネタ

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田村は又、今の時代情勢も詳しく話してくれた。 1937年(清吾16歳)、時あたかも盧溝橋事件による支那事変となり、田村は 「関東軍は、戦線拡大して泥沼に入ってしまった」 「これ以上の、南方進出は危険過ぎる」と。 1938年ドイツが、英仏との戦争に突入し 「日本が、巻き込まなければ良いが」と。 その翌年清吾18歳の時、同じ村の清子と、名ばかりの見合いをした後結婚。 田村の授業も疎かとなるが、田村は暇を見つけては、清吾に色々な本を持って来てくれ 「本は、色々知らない事を教えてくれて、考えさせてくれるから、時間が有る時は読みなさい」と 翌年一女を授かるも、妻の産後の日立ちが悪く、寝込んでしまった。 清吾は、妻の薬代や子供の為、今迄以上に仕事に精を出した。 その後も、妻は床にふせがちとなり、翌年1月(1941年)は清吾(20歳)の兵役検査。 清吾は、病弱の妻を置いて軍隊に入る事は、家族の危機と考え 「清子、俺はどんな仮病を使ってでも、兵役は逃れる」 「それで、俺の家族や清子の実家が、辛い思いするかもしれんが耐えてくれ」 清吾は、兵役検査の前に一升瓶の醤油を飲み干し、当然乍ら凄い下痢による衰弱。 企み通り、兵役は免れ 「俺は、戦はしたくねえ」と
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