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船の中でも
「海軍は、俺達を本気で守れないってか?」
「先発隊は無事だったみたいだけど、噂では帰りの船に民間人の疎開に使った民間船は敵潜水艦の餌食になったって聞いたぜ」
すると、誰かが
「酷い事しやがるな」
「それに、戦時法違反だろ」
すると、違う誰かが
「戦争なんて、所詮殺し合い」
「殺すか、殺されるかで、法なんて関係無いさ」と
2月29日夜、全員集められ
「我々は、明日サイパン島に向かう」
「此所は、絶対国防圏で有る」
「此所が敵に万が一落ちる事が有れば、ここからの本土空襲が可能となる」
「なので、我々は何としてでも守らればならぬ!」
「守れぬ場合はサイパン島迄の片道切符であることを、肝に命ずる様に」
訓示の後、皆ざわついた。
しかし、翌日早朝サイパン島を間近に見えた所で、ドゴォーンと轟音が。
皆慌てて船室から甲板に出ると、一隻の輸送船が火柱を上げて沈没しようと。
立て続けにあちこちから、火柱と共に轟音が。
敵潜水艦からの、魚雷攻撃。
護衛艦からの、反撃。
しかし乍ら一隻、又一隻と、海の藻屑に。
見渡せば、殆どの輸送船に火柱が。
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