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受験に専念したいと云う彼女の意志を尊重して、5カ月後の再会を約束した。
同じ駅を使ってはいても、社会人のオレと彼女の出会う確率はかなり低い。
伝言板の彼女だと知らない時に、いつものコンビニでたまたま出会った事があったけど。
かなり運が良かったのだと、後に思った。
全くと言っていいほど、彼女に会えない5カ月は。
正直辛かった。
まだ若い彼女の一日は、大人のオレ達よりはるかに濃いもので。
5カ月後には、オレの事なんか忘れてんじゃないかと、怖かった。
受験の結果発表の日。
『受かったよーっ!!』
そんなオレの不安を吹き飛ばすように、真っ直ぐにオレの腕の中に飛び込んできた茜ちゃん。
彼女を抱きしめた時の感動は、たぶん。
一生忘れないと思う。
愛しいって。
こういうことだったんだな。
初めての感情だった。
家のベランダで煙草をふかしながら、スマホをいじる。
部屋に匂いが付かないように。
彼女がいつ来てもいいように。
準備だけはしている自分に、笑えてくる。
どんだけ必死なんだよ、オレ。
【早く2人で逢いたい】
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