2 茜ちゃんと、オレ

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可愛い彼女のメッセージに、緩む口元を押さえられない。 あー。 何だってこんなに可愛いんだ。 『会いたかったの』 仕事で遅く帰宅したオレを、深夜の駅で待っていた彼女。 風呂上がりなのか、やたらに好い匂いを振りまいて。 変な奴に絡まれなかったのかとか。 色んな考えが頭をよぎり、つい彼女を強い口調で責めてしまった。 腕の中で、オレに会いたかったと涙目で語る彼女。 彼女の身体が冷えてるのに気付かなかったら。 オレはあのまま自分の部屋に攫ってしまったと思う。 偉いな。オレの理性。 『蒼吾くんのお部屋に行きたい』 彼女の希望を、のらりくらりかわすオレ。 男の一人暮らしの部屋に行くって言うのが、どう云う意味を持つのかなんて考えもしない。 まっすぐで純真な瞳。 卒業間近とはいえ、まだ高校生の彼女を部屋に上げる訳にはいかない。 茜ちゃん。 オレだって、いつまでも物分かりのいい『お兄さん』なんかじゃ、いられないんだよ? 彼女に嫌われるのが怖くて。 どこか線を引いてしまっている。
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