1 蒼吾くんとわたし

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「・・・ゴメン。言い過ぎた」 焦ったように謝って、わたしを抱きしめ髪を撫でる。 諭すように、あやすように。 「心配しすぎて、ついキツイ言い方した・・・ゴメン」 わたしの髪を撫で、何度も謝ってくれる。 香水と、煙草の匂い。 大好きな、彼の香り。 「オレに会いに来てくれたの?」 少しだけ身体を離して、わたしの涙を親指で拭う。 「・・・会いたかったの」 なんとかそれだけ、彼に告げる。 「そっか。ありがとう」 互いのおでこをくっつけて、蒼吾くんが微笑んだ。 「でももうこんなことしちゃ、ダメだよ?気になって、仕事に集中できなくなるから」 わたしを覗き込む、奥二重の瞳に、形のよいくちびる。 蒼吾くんは。 かなりのイケメンだ。 しかもスーツ姿で、イケメン度アップ。 そんな彼に、至近距離で見つめられて。 「ね?オレのお願い。聞いてくれる?」 なんて甘く囁かれて。 思わず頷いてしまったって、仕方のないことだと思う。 「ん。イイコだね」 柔らかく微笑んで、おでこにそっとキスしてくれた。
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