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「・・・ゴメン。言い過ぎた」
焦ったように謝って、わたしを抱きしめ髪を撫でる。
諭すように、あやすように。
「心配しすぎて、ついキツイ言い方した・・・ゴメン」
わたしの髪を撫で、何度も謝ってくれる。
香水と、煙草の匂い。
大好きな、彼の香り。
「オレに会いに来てくれたの?」
少しだけ身体を離して、わたしの涙を親指で拭う。
「・・・会いたかったの」
なんとかそれだけ、彼に告げる。
「そっか。ありがとう」
互いのおでこをくっつけて、蒼吾くんが微笑んだ。
「でももうこんなことしちゃ、ダメだよ?気になって、仕事に集中できなくなるから」
わたしを覗き込む、奥二重の瞳に、形のよいくちびる。
蒼吾くんは。
かなりのイケメンだ。
しかもスーツ姿で、イケメン度アップ。
そんな彼に、至近距離で見つめられて。
「ね?オレのお願い。聞いてくれる?」
なんて甘く囁かれて。
思わず頷いてしまったって、仕方のないことだと思う。
「ん。イイコだね」
柔らかく微笑んで、おでこにそっとキスしてくれた。
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