フェティシスト

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   次に僕は、姉さんの箪笥を開けた。シャツやセーター、ジーンズを袋に詰める。ああ、このシャツは良く着ていたなぁ。僕はシャツに顔を埋めると、思い切り息を吸い込む。姉さんの匂いがした。  姉さんのシャツを顔に巻き、引き出しを開ける。下着だ。黙々と袋に詰める。このパンティーはよく履いてたな。このブラジャーは見た事ないな。こっちで買ったのかな。そんな事を考えながら詰めていく。  巻いていたシャツを外して袋に詰め、変わりにパンティーをかぶる。股布越しでも呼吸はできるんだな。  次の引き出しを開けた時、僕はえもいわれぬ感覚を覚えた。  肌色のゴム。その引き出しは生ゴムの下着で埋め尽くされていた。  姉さんは本当にフェティシストだったんだ。家族や友人に愛された姉さん。真面目で賢かった姉さん。僕をからかって笑っていた姉さん。美しかった姉さん。その姉さんが変態だったなんて。    
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