フェティシスト

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   家に帰るといつも陽気な母さんが泣いていた。お爺ちゃんも泣いている。ついでに猫のミケも鳴いていた。 「ただいま。姉さんはどこ?どっかに隠れてるんでしょう?」 「タマミが、タマミが…」  号泣する母。芝居に熱が入ってるなー。 「タマミが自殺した。今から警察に行くがお前も来い。」  お爺ちゃんはそう言うと、電話をかけた。どうやらタクシーを呼ぶようだ。  ニャー。ミケは僕の足に頭を擦り付けて、どこかへ行ってしまった。  10分後、タクシーが来てクラクションを鳴らす。僕はお爺ちゃんに手を引かれ、タクシーに乗り込んだ。  
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