第4章 花弁のお茶会

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もっと言えば先輩二人も男子だと思っていた。 生物部とか、いかにも男子の部活って感じだし。 っていう私も生物部だけれど。野村先輩もいてくれてちょっと嬉しいというか、なんというか。 「あ、それ立花ちゃんの栞?」  と、野村先輩は私が読もうとしていた本をいつの間にか開いていて、押し花の栞を持っていた。 その栞は貸してもらった栞とはまた別の物で、三枚目の栞だ。 「へー……蝶野ちゃんには貸したんだ」  ん?  野村先輩はテーブルに項垂れながら押し花の栞をぴらぴら、と揺らしている。 私は首を傾げて野村先輩を見ていた。  私にはって、どういう意味?  と、そうしていた時、ぎぎっ、と部室のドアが開いた。 「乃々ちゃん? こっちに……と、お客さん? こんにちは」
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