第4章 花弁のお茶会

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近くの席の陣内君も先生の目を盗んで、体を揺さぶったのだけれど、ちっとも起きなくて。 数学の先生は生徒指導の担当でもあるから、とても厳しいので居眠りなんてのはもっての他で、即指導室行きというわけで。 「そりゃ教科運がなかったね。あの先生、アタシにもめっちゃくちゃ煩いからなー。スカーフしろ、マニュキア落とせ、指定の靴下履けだの。ま、全速力で逃げるけどー」  あはっ、と笑う野村先輩は目をつけられて当然かな、なんて口には出せないけれど、私は思ってしまった。  そういえば、と私は前に立花君が言っていた事を思い出した。 動物科の先輩達がよく遊びに来て煩い、だったっけ、と。 確かに野村先輩は言い方を変えると賑やか人だけれど、私のイメージする先輩像とは違っていた。 こういう、煩い、じゃなくて、もっと、ぴしーっ、としているとか、上下関係が厳しい、とかそういう煩いかと思っていたのだ。
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