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「そなたの視線は痛い。」
思いも寄らない言葉に、美加は取り繕う余裕もなく、
「え?」
と声をあげ、頭をあげてしまった。
「いつもいつも酒宴の度に、そう、最初の酒宴のときもだ。
なんというか
女からそのように一方的に熱い視線を送られるのも良いものである。
酒がうまかった。」
美加はさくらと同じことを言われ恥ずかしさのあまり、更に一層顔を赤らめた。
そして、酒宴にいたすべての客も同じことを感じていたのかと思うと
自分の行動に恥入ってしまった。
美加は自分だけがその視線にも、自分の心にも気付かずに。
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